2018年 ページビューランキング ベスト10
この一年でページビューの多かった記事のベスト10と気づいたことや補足など。
1位 過去10年間のドラフトで獲得した選手がどの程度戦力になっているか
この記事はドラフトの前後でアクセスが急増した。「ドラフト 過去10年」でググると上位に表示されるようだ。検索してきた人がどういった情報を求めていたのかわからないが、せめてドラフトで入団した選手の一覧などつけて、もう少し網羅的な内容にすれば良かったかなと思う。その反省点から補足的にこのような記事も書いた。
基本的には限界集落過疎ブログなので読者目線や質的な充実にはほとんど気をつかってないのだが、稀にピンポイントで検索上位に来てしまうことがあるので、今後はもう少し練ってから記事化するようにしたい。
2位 プロ野球(NPB) 平均年俸推移
この記事もどちらかというとレギュラーシーズンが終わってから伸びてきた。平均年俸の推移グラフが貼り付けてあるだけの味気ない記事なのでもう少し内容を加えれば良かったかなと思う。
この記事から読み取れることとしては、現在は過去と比較してもチーム間の年俸格差が最も広がっている時代だということと、FA制度の導入は平均年俸を上昇させたということ──より正確に言えば上昇速度を速めたということだろう。例えば、広島カープが長期低迷した要因としてFA制度の導入が挙げられることがあるが、これはFAによる選手の流出というよりはFAによる賃金上昇についていけなかったと捉えるほうが妥当ではないかと思う。また同様に、希望入団枠制度の導入は裏契約金に代表されるように選手獲得コストの上昇と捉えることができる。つまり、選手の獲得・維持でランニングコストの上昇とイニシャルコストの上昇が同時に起こり、ましてやその後の放映権料の値下がりなど収益が悪化してくる時期とも重なったことで、90年代後半以降は縮小均衡路線にならざるを得なかったということである。カープは今年セ・リーグ三連覇を達成したが、こうしたプチ黄金期が訪れた要因としては誰もが認めることではあるがドラフトが正常化したことが大きい。ドラフトは戦力均衡に資するルールであるということの証左でもあったし、資金力による格差を覆してアップセットをおこすための時限装置でもある。ということを考えると、FAの補償はやはりドラフトの指名権譲渡が論理的にも正しいのではないかと思えてくるのだが。
3位 打者のピークと投手のピーク(年齢曲線)
「野球選手 ピーク」で検索上位。これはタイトルそのままの記事なので、検索して来た人の知りたいことにはだいたい応えられているだろう。
4位 球種別被打率
「カーブ 被打率」とか「スライダー 被打率」などで検索上位に来る。各変化球の平均的なスタッツを全投球とストライクゾーン内の投球とに分けて示した。スライダーやカットボールは失投時のリスクが高く、カーブは相対的に低い。あとは、この平均的なスタッツを頭に入れておけば選手個別のスタッツとの比較で、このピッチャーのスライダーはあまり空振りがとれてないとか、ボールゾーンの球を振らせることが出来てないとかがわかると思う。
5位 2015年-2017年 対左投手 打撃成績ランキング
謎にPVが多かった記事。例えば「山田哲人 対左投手」で検索したとき上位ではないが、一ページ目には来るのでそのせいかなとは思うが。この記事の目的としては、よく中継などでこの選手は今シーズン対左が.300と当たっており云々といわれるが大抵はサンプルサイズ的にデータとしてはほとんど意味のないものだったりするので、ある程度サンプルサイズを確保した上で比較してみようということと、ちょうどこの時期村田修一の去就が注目されており、対左に限定すればまだ一流の成績を残しているということを示したかったというのがある。以下は2016年〜2018年のデータ。
6位 カウントによる打撃成績の変化とストライクを増やす価値
カウント別の打率等が知りたくて来た人にはこれじゃないデータなのだが、こちらの数値の方がより本質的だし実用的だろうと思う。
7位 捕手のフレーミングおよび盗塁阻止
この記事は試しに計算してみたという程度なので精度的にも正直どうかなあというところなのだが。まあ、ともあれフレーミングの成果に興味を持っている人はそれなりにいるということだろう。
8位 チームごとの犠打や盗塁を試みる頻度
采配ということでは、バントや盗塁の多い少ないは気になることなのだろうか。上記は2017年までのデータだが、2018年のものは以下にまとめた。
実際のところ、犠打は多いチームでも年間で100回程度なので、これがシーズンの総得点を劇的に増やしたり減らしたりということは考えにくい。なので、あまり神経質にならずに半ば諦観しつつ観戦するのが良いと思う。
9位 球速別被打率
たまに解説などで球速を軽視する発言をする人がいるのだが、一般論として言うなら球速は遅いよりも速いほうが絶対的に良いし、球速低下は成績悪化のシグナルとして捉えた方が無難だろう。
10位 セ・リーグとパ・リーグの実力差
この記事は6月の交流戦の時期と11月の日本シリーズの時期にアクセスが増えた。おそらく、この記事にたどり着いた人というのは、セ・リーグとパ・リーグで差があるのは自明だがその差が何故生まれたのかを知りたいという人が多いのではないかと思う。上記の記事ではセパの差を数値で示すに留めたが、この差の要因となっていそうなものとしては以下の記事で示したように、ドラフトからの戦力化が上手くいっているかどうかというのがまずあるだろう。
それともう一つドラフトでの戦略の違い。
この10年という単位でみればパ・リーグの方が高卒野手を指名する比率が高く、そこからの戦力化が上手くいった場合のアドバンテージというのも考えられるだろう。
あとはよく言われることではあるが、DHのありなしはチーム編成に大きく関わってくる。つまり、レギュラーの打者8人をベースに編成するのと9人をベースに編成するのとでは戦力的な厚みが違ってくるし、また育成面でもベテラン選手をDHにコンバートするなどして若い選手を起用しやすくする効果もあるだろう。ただ、この部分は各リーグの平均的な実力差にどの程度影響を与えているかというのを示すのが難しい。