海外リーグとNPBの成績比較
1990年以降に海外リーグからNPBに移籍してきた選手の移籍前3シーズンの通算成績とNPB移籍一年目の成績を比較することで、本塁打や三振などが平均的にどのくらい上下するか算出する。この算出した係数を使うことで新たにNPBに移籍してくる選手の成績をNPBでの成績に換算することができる。
具体的には移籍前3シーズンの成績を近い方から5、4、3の比重で重み付けし合算する。これはある程度のサンプルサイズを確保するため。
そしてこれらの成績をNPB1年目の成績と比較する。
打率などの率系のスタッツ以外は打席あたりの割合(例えば本塁打であれば本塁打÷打席)で比較する。
対象となるリーグはMLB(ア・リーグ、ナ・リーグ)、AAA(IL、PCL、メキシカンリーグ)、KBO。
移籍前3シーズンの合計打席、NPB1年目の打席とも150打席以上あった選手を対象とした。
打者
リーグ | AL(MLB) | NL(MLB) | IL(AAA) | PCL(AAA) | MEX(AAA) | KBO(Fgn) |
---|---|---|---|---|---|---|
サンプル | 66 | 78 | 90 | 110 | 13 | 10 |
Hit% | 1.05 | 1.08 | 0.94 | 0.88 | 0.82 | 0.95 |
HR% | 1.79 | 1.87 | 1.50 | 1.16 | 0.71 | 0.77 |
BB% | 1.31 | 1.25 | 1.05 | 0.95 | 0.59 | 0.89 |
K% | 1.12 | 1.05 | 1.28 | 1.35 | 1.57 | 1.28 |
AVG | 1.10 | 1.11 | 0.94 | 0.87 | 0.77 | 0.93 |
OBP | 1.13 | 1.11 | 0.96 | 0.90 | 0.75 | 0.91 |
SLG | 1.23 | 1.23 | 0.99 | 0.89 | 0.74 | 0.86 |
OPS | 1.18 | 1.17 | 0.98 | 0.89 | 0.74 | 0.88 |
ALのOPSを例にとると、ALの成績からNPBに移籍した際の成績は平均して1.18倍になっているので、例えばALで.700の成績を残している選手の成績はNPBでの成績に換算すると.826ということになる。
おおよその傾向としてはMLBクラスからNPBに移籍した際には成績が向上するというのが分かるし、AAAクラスあるいはKBOからの移籍では成績が下降するというのが分かる。
これらを各リーグのレベルの差としてとらえることも可能だろう。
投手
リーグ | AL(MLB) | NL(MLB) | IL(AAA) | PCL(AAA) | MEX(AAA) | KBO(Fgn) |
---|---|---|---|---|---|---|
サンプル | 62 | 61 | 114 | 104 | 8 | 11 |
ERA | 0.78 | 0.86 | 1.18 | 0.99 | 1.49 | 1.13 |
IP | 1.04 | 1.04 | 0.98 | 1.00 | 0.97 | 0.97 |
Hit% | 0.94 | 0.95 | 1.01 | 0.98 | 1.09 | 1.11 |
HR% | 0.81 | 0.87 | 1.31 | 1.18 | 2.44 | 1.20 |
BB% | 0.92 | 0.98 | 1.20 | 1.15 | 1.29 | 0.96 |
K% | 1.12 | 1.06 | 0.89 | 0.89 | 0.82 | 1.06 |
一部サンプルの少なさからか、極端な数字になっているところもあるが、全体的な傾向としては打者と同じである。