ビハインド時の勝率

ビハインド時の勝率

 2015年から2018年までのビハインド時の勝率。ビハインド時の勝率とは、試合中一度でも点差が負けている状態になった試合での勝率。いわゆる逆転勝ちがどのくらいの割合であったか。

■ リーグ平均
2015年-2018年 ビハインド時勝率
Lg2015201620172018
セ・リーグ26.1 %29.2 %29.3 %29.7 %
パ・リーグ30.7 %30.4 %28.6 %30.4 %
■ チームデータ
2015年-2018年 ビハインド時勝率
TmLg2015201620172018
西武
PL
27.6% (27)
31.2% (35)
34.4% (33)
43.3% (42)
広島
CL
23.9% (22)
47.9% (45)
44.6% (41)
41.8% (41)
ヤクルト
CL
32.3% (32)
27.5% (30)
17.9% (20)
36.5% (38)
ソフトバンク
PL
43.2% (38)
32.5% (25)
38.7% (31)
34.4% (31)
日本ハム
PL
35.7% (35)
39.3% (35)
24.3% (26)
29.2% (26)
DeNA
CL
27.9% (31)
27.0% (27)
32.0% (31)
29.1% (30)
オリックス
PL
23.0% (23)
20.8% (21)
27.6% (29)
28.2% (29)
ロッテ
PL
32.7% (34)
32.7% (32)
19.0% (20)
25.9% (28)
中日
CL
23.2% (22)
24.5% (25)
18.5% (17)
24.2% (24)
阪神
CL
20.5% (18)
24.0% (24)
36.6% (34)
23.3% (24)
楽天
PL
23.8% (25)
27.8% (30)
31.0% (27)
23.1% (25)
巨人
CL
28.0% (26)
25.6% (23)
28.6% (28)
22.8% (21)

 かっこ内の数値は逆転勝利数。

 今シーズン、ビハインド時の勝率が高かったのが、パ・リーグはライオンズ、セ・リーグカープだった。両方とも打力に優れたチームである。

 2015年から2018年という少ないサンプルではあるが、このビハインド時の勝率はチームの得点力に相関する。チームの平均得点─正確にはパークファクター補正した平均得点のリーグ平均比─との相関係数は.793。当たり前のようではあるが、打力のあるチームの方が逆転はしやすい。逆に言えば、打力がそれなりにあるチームでビハインド時の勝率が平均よりもはるかに低い場合は何かが噛みあっていないというシグナルになり得るかもしれない。

 以上のデータは全てをひっくるめたビハインド状況での逆転勝率だったが、もう少し本質的な逆転勝ちがどれだけあったかも見ておきたい。

■ 試合終盤に勝利期待値が20%を下まわってからの逆転勝利
2015年-2018年 終盤勝利期待値20%以下からの勝率
TmLg2015201620172018
西武
PL
2.9% (2)
9.8% (8)
9.2% (6)
21.9% (14)
ヤクルト
CL
9.9% (7)
9.5% (8)
4.3% (4)
19.0% (15)
ソフトバンク
PL
18.6% (11)
10.7% (6)
7.5% (4)
14.5% (10)
DeNA
CL
8.4% (7)
5.4% (4)
12.7% (9)
13.1% (11)
楽天
PL
9.3% (8)
7.3% (6)
11.8% (8)
11.1% (10)
日本ハム
PL
11.6% (8)
14.8% (9)
3.5% (3)
10.4% (7)
広島
CL
4.2% (3)
24.2% (16)
20.3% (12)
9.5% (6)
オリックス
PL
4.9% (4)
4.7% (4)
6.2% (5)
9.1% (7)
中日
CL
3.9% (3)
10.3% (9)
3.9% (3)
8.5% (7)
阪神
CL
4.2% (3)
8.8% (7)
9.1% (6)
7.3% (6)
巨人
CL
12.2% (9)
8.1% (6)
10.5% (8)
5.3% (4)
ロッテ
PL
8.2% (6)
9.6% (7)
6.7% (6)
3.7% (3)

 これは7回以降に勝利期待値が20%以下になった試合で逆転勝利を収めた試合の割合。かっこ内の数値が逆転勝利数。勝利期待値が20%以下になるとは点差状況などから統計的にみて試合に勝つ確率が20%以下になったということ。試合終盤に勝利確率が20%以下というほぼ負け試合からの逆転勝利なので、ファンの体感的にはこちらの方が逆転勝ちの多い少ないという意味ではイメージしやすいのではないだろうか。

 今年でいえばやはりライオンズが劇的な逆転勝利も多かったようだ。逆に終盤の逆転勝ちが最も少なかったのがマリーンズで僅か三試合だった。

リード時の勝率

 ついでにリード時の勝率も見ておこう。リード時の勝率もビハインド時の勝率と同じく、試合中に一度でも点差がリードした状態になった試合での勝率である。

■ リーグ平均
2015年-2018年 リード時勝率
Lg2015201620172018
セ・リーグ69.4 %67.4 %68.6 %68.4 %
パ・リーグ70.1 %69.0 %70.3 %68.4 %
■ チームデータ
2015年-2018年 リード時勝率
TmLg2015201620172018
西武
PL
73.4% (21)
59.8% (39)
74.8% (23)
79.0% (22)
ソフトバンク
PL
77.7% (24)
72.3% (26)
85.7% (15)
74.8% (26)
ヤクルト
CL
78.7% (19)
67.4% (29)
53.8% (35)
73.5% (25)
広島
CL
69.7% (27)
76.1% (26)
75.9% (26)
73.3% (26)
DeNA
CL
65.6% (31)
67.4% (31)
68.7% (28)
69.5% (29)
日本ハム
PL
72.1% (27)
76.1% (23)
63.7% (33)
68.2% (31)
巨人
CL
71.6% (28)
63.3% (38)
75.3% (22)
67.7% (29)
阪神
CL
69.9% (27)
65.2% (30)
76.5% (21)
65.3% (32)
オリックス
PL
61.5% (35)
62.9% (32)
61.9% (36)
65.3% (31)
楽天
PL
60.2% (36)
68.2% (24)
71.7% (27)
62.2% (32)
中日
CL
61.2% (34)
63.6% (30)
57.1% (39)
61.0% (38)
ロッテ
PL
74.0% (24)
73.4% (24)
60.9% (32)
59.2% (38)

 かっこ内の数値は逆転負け数。

 リーグ平均からみれば勝率70%くらいが一つの基準になりそうだ。

 これも2015年から2018年までの4シーズンのサンプルだけではあるが、リード時の勝率もチームの得点力に相関する。得点力(パークファクター補正した平均得点のリーグ平均比)との相関係数は.755、失点阻止力(パークファクター補正した平均失点のリーグ平均比)は-.540となった。もちろん、点差やイニングなどを限定しない勝率なので今回の勝率自体に深い意味はないのだが、例えばチームの逆転負けが多いというときに投手陣─特にブルペン─がやり玉にあがることがあるけれども、場合によっては打力不足の方がより原因としての比重が高いケースもあるということは考えておいたほうが良いだろう。

■ 試合終盤に勝利期待値が80%を超えてからの逆転負け
2015年-2018年 終盤勝利期待値80%以上からの勝率
TmLg2015201620172018
DeNA
CL
90.8% (6)
89.0% (8)
90.5% (7)
95.5% (3)
阪神
CL
92.9% (5)
82.9% (13)
96.2% (3)
95.4% (3)
西武
PL
91.8% (6)
95.3% (3)
95.1% (4)
93.3% (6)
ソフトバンク
PL
92.4% (7)
91.0% (8)
96.8% (3)
93.0% (6)
広島
CL
88.3% (9)
92.3% (7)
92.5% (7)
90.6% (8)
ヤクルト
CL
98.7% (1)
88.7% (8)
87.5% (6)
90.0% (8)
巨人
CL
96.1% (3)
92.0% (6)
92.0% (6)
89.2% (8)
日本ハム
PL
94.0% (5)
93.4% (6)
90.8% (6)
88.0% (10)
オリックス
PL
86.6% (9)
81.4% (13)
89.6% (7)
86.5% (10)
楽天
PL
88.7% (7)
93.7% (4)
91.1% (7)
85.9% (9)
ロッテ
PL
96.1% (3)
93.4% (5)
88.3% (7)
80.3% (14)
中日
CL
85.9% (10)
86.2% (9)
83.8% (11)
80.3% (15)

 かっこ内の数値が逆転負け数。先ほど見た終盤の逆転勝ちの逆バージョン、要するに試合終盤にほぼ勝ちというところからの逆転負けの数である。

 おおむね90%というのが基準になりそうな勝率で、これを下まわっているとやや逆転負けが多い印象になるのではないかと思われる。特に今シーズンのマリーンズやドラゴンズは勝ち試合の約2割を逆転されているということであり、ファンからすれば堪える敗戦が多かったのではないだろうか。